step9.ケアプラン交付後の流れ(ケアマネ目線編)

介護保険制度

ケアマネージャーは、事業所で関係各所と連絡をとりながら、スケジュールを調整します。
・サービス時間や送迎手段
・内服薬、往診や受診などの医師との連携
・ご家族の就労形態や介護力などを考慮

上記のこと以外にも、福祉用具の手配や住宅改修など同時進行で準備をしていきます。

各サービス事業所の職員のタイプなども、ご本人に合うかどうか考えます。例えば、おとなしいタイプの人には、ソフトな話し方の人がいいな☝など

ケアプランが交付された後は、実際に介護保険サービスの利用が開始され、その後も適切にサービスが提供されているかを確認し、必要に応じてプランを見直すという一連の運用プロセスが続きます。

ケアマネ
ケアマネ

各事業所に電話で問題なくサービスが実施できているか確認します

ケアプラン交付後の流れ

1. サービスの利用開始

交付されたケアプランに基づき、介護保険サービス提供事業者との契約が成立し、サービス提供が開始されます。利用者やその家族は、計画されたサービスを利用できるようになります。

2. モニタリング

ケアマネージャーは、サービス開始後も定期的に利用者宅を訪問し、モニタリングを行います。これは、ケアプランが適切に実行されているか、利用者の心身の状態や生活環境に変化がないかを確認するためです。

ケアマネ
ケアマネ

〇〇さん、デイサービスに通えてますか?

デイサービス スタッフ
デイサービス スタッフ
ケアマネ
ケアマネ

何か原因となるような考えられることはありますか?

デイサービス<br>スタッフ
デイサービス
スタッフ
ケアマネ
ケアマネ

〇〇さんは認知症の初期の方なので、混乱があるのかもしれません。もう少し工夫してお誘いを続けてみましょう。

デイサービス<br>スタッフ
デイサービス
スタッフ
訪問頻度

居宅介護支援の場合、月に1回以上訪問することが一般的です。施設ケアプランや介護予防プランでは、施設入所後2週間以内に初回ケアプランが作成され、概ね3ヶ月ごとにケアプランの見直しを兼ねたモニタリングが行われるなど、訪問頻度が異なる場合があります。

確認内容

サービス利用状況、利用者の満足度、困りごと、身体状況や生活環境の変化などを確認します。サービス提供事業者とも連携し、サービスの実施状況や利用者の状況について情報共有を行います。

ケアマネ
ケアマネ

娘様、〇〇さんの好きなことや得意なことは何ですか?

娘

父はずっと学校の教師を長年してきて、堅物な人でした。本を読むことが好きで、時代小説を読むのが趣味でした。自分が子供たちに教える立場の人でしたから、あまり人の世話になりたくないんだと思います。それと、ガヤガヤしている場所は好きではないのかもしれません。

ケアマネ
ケアマネ

そうでしたか。分かりました。デイサービスの職員にそのことを伝えて、学校の先生ということを踏まえて接してもらうようにしてみますね。

3. ケアプランの見直しと変更

モニタリングの結果、利用者の状態やニーズに変化があった場合、またはケアプランが現状に合っていないと判断された場合には、ケアプランの見直しや変更が行われます。

見直しのタイミング

利用者の状態に応じた目標達成状況の評価、新たな課題の発生、あるいは短期目標の再設定が必要な場合などに行われます。変更が必要な場合は、再度アセスメントを行い、必要に応じてサービス担当者会議を開催し、新たなケアプランを作成・交付します。

ケアマネ
ケアマネ

〇〇さん、その後どうですか?デイサービスに行くことができていますか?

デイサービス<br>スタッフ
デイサービス
スタッフ

はい、あれからデイサービス職員一同で学校の先生ということを踏まえて、同じ対応をするようにしました。我々が教えてもらえますか?というスタンスで、一つ一つ必ず『目的』を伝えるように心がけました。いま、これは何の目的でするのか、を伝えると納得されるようになり動いてくれるようになりました。また、『先生』という敬意を払うことで、過去の教師時代のことを話されながら我々に教えてくれるようになりました。

ケアマネ
ケアマネ

それは良い傾向ですね。デイサービスのスタッフの方が根気よく対応してくれたおかげです。引き続き、様子を定期的にお知らせください。

柔軟な対応

ケアプランは一度作成したら終わりではなく、利用者の状況に合わせて柔軟に調整されるべき「計画書」です。

娘

あれから3週間たって、嫌がらずにデイサービスに行ってくれるようになりました。朝の支度も前はすごく時間かかっていたんですけど、最近はスムーズにトイレに行ってくれるようになりました。

ケアマネ
ケアマネ

慣れてきたご様子ですね。これから、どんどん楽しいと思ってもらえるようにレクリエーションや運動に参加してもらいましょう。先生としてのプライドを受け止めて自尊心を傷つけず、役割ややりがいをもって過ごすことで、心の安定が図れてきたのだと思います。

ケアプランの運用は、利用者の「その人らしさ」を支援し、可能な限り自立した生活を送ることを目的としています。計画されたサービスが効果的に機能しているか、利用者の心身の状態に最も適しているかを常に確認していくことが重要です。

介護保険制度
キネコ

キネコと申します。
長年、福祉業界でケアマネとして働いています。現場で従事している人にしかわからない日々の仕事の魅力や苦労、やりがいなども発信していきます。

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