
こんにちは、キネコです。
福祉業界20年以上、現役ケアマネージャーとして生きています。
ここ数年、知り合いや近所の人から「身内で介護が必要になったんだけど、どうしたらいい?」と
相談を受けます。
わたしは、

「介護が必要になったのはどんな人?」「何があったの?」
という質問から入ります。

「母親が転んじゃってさ。骨折して入院したんだけど、それをきっかけに認知症っぽくなっちゃって。退院するにも一人じゃ心配だから一緒に暮らすしかないかな~と思って。面倒を見るにも仕事があるし・・どこに頼ったらいいかも分からないんだよね。」

「介護保険は申請した?」

「介護保険?何それ?どうやってやるの?」
だいたいこのような反応となります。

まずは病院のソーシャルワーカーさんに、要介護認定の申請をしてもらって。それから地域の包括支援センターに連絡してケアマネさんをつけてもらうように。

まじ?難しくてよく分かんない。そんなに大変なんだ!
上記のように、突然やってきた介護にバタバタします。
なんとなく聞いてはいたものの、実際に自分がその当事者となり、直面すると
あんまり知らないことに気付きます。
なので、めちゃくちゃバタバタします。
介護で自分が困った時に、どこに連絡したらいいか→ なんて、事前に調べたりしないんですね。
と思っていた人が大半だと思います。
では、いざ 介護が必要になった 場合、まわりの近しい人や職場に打ち明けるか?といった
ら、ほとんどの人が黙っている のが現状です。
育児に比べると、ほとんどカミングアウトできないんです。
実際に、
2023年家族介護者は 650 万人、うち 365 万人は働きながら介護をしている。これは有業者全体の 5.4%にのぼり、2035 年には 460 万人への増加が見込まれる。しかし介護休業等の制度の利用率は 11.6%にとどまり、介護離職者は年 10 万人にのぼる。
株式会社日本総合研究所より引用
では、なぜカミングアウトしない、周囲に打ち明けないか、というと以下のようなことが上げられます。
- 社会的な偏見と羞恥心(介護のイメージと病気への理解不足)
- プライバシーと自尊心(個人的なプライベートな領域)
- 仕事やキャリアへの影響(収入の減少や出世の妨げ)
- 介護者の心理的負担(大変さが理解されにくい)
- まわりの人にあれこれ言われるのが面倒・・
上記のことが理由で、職場に言い出しにくい = 介護休業を取りづらい
結果に繋がっていると思います。
さらにこの結果に加え、介護保険制度が複雑で分かりにくいことも相まって
誰にも相談できずに自分だけで抱え、
介護離職 という結果に至ってしまうのです。
こういったことにならないために、
介護保険のしくみを知り、未来に向けて準備をする!
自分の人生を考える、家族の人生を考える、元気な高齢者を目指すには!
そんなきっかけになれば、嬉しく思います。
時々、心の声やツッコミなども交えながら、分かりやすく解説していきます。
まずは現行の介護保険制度とは、どんな制度なのか簡単に説明していきます。
- step1
介護保険を利用して受けられる介護サービスのことを介護保険サービスと言います・・・
- step2
介護サービスの選び方には、本人の求めているものと、目的の整理をすることが大事です・・・
- step3
ケアマネージャーは、介護保険制度における専門職で、介護を必要とする高齢者やその家族が適切な介護サービスを受けられるよう支援します・・・
- step4
介護保険サービスを利用するには、要介護認定を受ける必要があります・・・
- step5
介護保険で利用できるサービスはいくつもの道筋があり、要介護者の状態や生活環境に応じて選択できます・・・
- step6
介護を始めるときに準備することは・・・
- step7
ケアプランが出来たら、担当のケアマネージャーと何度も相談をして疑問点や不安なことを解消していきます・・・
- step8
介護サービスを利用するためには、各サービス提供事業者との間で契約を締結することが不可欠です・・・
- step9
ケアプランが交付された後は、実際に介護保険サービスの利用が開始され、その後も適切にサービスが提供されているかを確認し、必要に応じてプランを見直すという一連の運用プロセスが続きます・・・
- step10
介護サービスの利用が開始された後も、ケアマネージャーに並走してもらい困りごとがないか連携をとっていきます・・・
このように、介護をすることになると、役所での手続きやら必要なものの買い物やら・・やること
がたっくさんあるので、あちこち駆けずり回らなければなりません。
電話もたくさん掛かってきます。
体力勝負です。
ましてや仕事をしながらだと、休みに こなしきるのは難しく、ある程度まとまった休みを取ら
なければならなくなります。
役所は土日は開いていませんので、平日でなければ手続きができないことがあります。
一般の会社にお勤めの方は、たいてい土日がお休みの方が多いと思います。
そのため、仕事中に電話をかけなければならなくなったり、早退して役所に行ったりと目まぐるし
い毎日が続きます。
そして、家に帰ったらひたすら介護をする・・・
これを、自分ひとりでやろうとすると、肉体的にも精神的にも、いつか限界が訪れます。
そうなる前に、ある程度の知識を入れておくだけで、なんとなくイメージが沸き、慌てずに済むと
思います。
今は、たくさんのプロの手を借りることができます。
そして、便利なものもたくさんあります。
自分だけがすべてを背負わなくていいのです。
この法制度を知ってるか知らないかで、本当に必要になった時、今後の生活が大きく変わってきま
す。
蓄積は力になります。
そんな思いを込めながら、記事を書いていきます。
新着記事
このブログを読んでいけば、介護の全体の姿がつかめるようになります。
ケアマネージャーを目指す人に対しても、有益な情報をお届けするとともに、どんな仕事をしているのかすぐに分かるようになっています。

ケアマネージャーは素晴らしい仕事です。
20年以上携わってきたからこそ、実感したやりがいがあり
この職種にしかできないことが沢山あります。
制度の説明や書類の手続きなどが仕事だと思っている人が大半だと思いますが、実は、生活の問題解決にむけて、当事者・家族の人生に寄り添い、並走することこそが、仕事の本質です。
人と人のあいだを繋ぎ合わせる役割こそが、ケアマネの真骨頂。
家庭と分断された社会を繋ぎ、
『誰もが来るべき変化』を、『冷静に受け止める準備』に変える案内人。
忘れた安心感を取り戻すために軌道修正を手伝い、
当事者・家族の心を休め救い出す仕事・・
だと私は思っています。
ケアマネージャーという仕事に興味を持っていただけたら嬉しいです。
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