あると便利なもの(服薬カレンダー)

あると便利なもの

認知機能が低下すると、薬を飲んだことを忘れてしまったり、飲む時間や量を間違えたりすることがあります。また、記憶にないことは、ご本人にとって事実ではないため、「飲んでいない」と強く主張することもあります。

服薬カレンダー

お薬カレンダーは、薬の飲み忘れ防止や服薬管理に役立つ便利なアイテムです。1週間や1ヶ月分のお薬を整理できるだけでなく、1日の服用回数(朝、昼、夜、寝る前など)に合わせて分類できるタイプもあります。

お薬カレンダーの種類と特徴

お薬カレンダーには、いくつかの種類があります。

壁掛けタイプ:最も一般的なタイプで、壁に掛けて使用します。ポケットがマチ付きで薬の出し入れがしやすいものや、1日4回分(朝・昼・夜・寝る前)の収納に対応しているもの、さらに食間も追加された6列タイプなど、多様な商品があります。中には1ヶ月分対応のものや、小物ポケット付きのタイプもあります。

卓上タイプ・ケースタイプ:コンパクトで持ち運びやすいものです。ポケットが取り外せるタイプや、薬を充填する手間を省けるように薬包をそのまま入れられるタイプもあります。

防水・抗菌タイプ:衛生的に使用できるよう、抗菌加工が施されたり、洗濯可能な素材で作られたりしているお薬カレンダーもあります。

お薬カレンダーの効果

お薬カレンダーは、ただ薬を整理するだけでなく、以下のような効果が期待できます。

飲み忘れ・飲み間違いの防止:視覚的に薬の服用状況を確認できるため、飲み忘れや飲み間違いを防ぎやすくなります。

自己管理の促進:患者さんが自分で薬の管理を行う手助けとなり、服薬に対する理解や意識を高めることができます。

介護者の負担軽減:飲み忘れをすぐに見つけることができ、高齢の方や小さなお子さんがいる家庭では、介護者や家族の服薬管理の負担を軽減できます。

おばあちゃん
おばあちゃん

薬の飲み忘れがあると、嫁に怒られるの。

嫁

ちゃんと飲んでって言ったじゃない!

薬局店員
薬局店員

こういった言い合いを減らせます。

購入できる場所

お薬カレンダーは様々な場所で購入できます。

調剤薬局:100円~の安価なものから、無料で貸し出ししているところもあります。

オンラインストア:モノタロウ、価格.com、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなどで、多くの種類のお薬カレンダーが販売されています。特にオンラインストアでは、健康用品や介護用品を専門に取り扱うショップが多く、さまざまな商品を比較検討できます。

ドラッグストアや介護用品店:実店舗でも購入可能な場合があります。

100円ショップ:手軽に購入できる簡易タイプのお薬カレンダーや、DIYの材料となる商品が見つかることもあります。

服薬支援ロボ

「服薬ロボ」とは、薬の飲み忘れや飲み間違いを防ぎ、正しい服薬をサポートするロボットです。特に高齢者や一人暮らしの方、認知症の方の生活を支えることを目的としています。

服薬ロボの主な機能

服薬ロボには、薬の管理を助ける様々な機能が搭載されています。

定時刻の配薬 設定された時間になると、1回分の薬を自動で出してくれます。そのため、どの薬を飲むべきか迷うことがなくなり、飲み間違いを防ぐことができます。

音声と画面表示 高齢者の方にも聞き取りやすい、ゆっくりはっきりとした女性の声で服薬を促したり、画面表示で案内したりする機能があります。難聴の方のために、大音量設定ができる製品もあります。

見守り機能 薬を取り出したことをスマートフォンアプリやメールで家族などに知らせる通知機能があります。室温が異常に上昇した際に注意喚起をするなど、生活における見守り機能も備わっています。

過剰摂取防止 一度薬が取り出されると、次の服用時間までは薬が出ないような仕組みになっています。薬を取り出さなかった場合は一定時間後に自動で収納され、過剰服用を防ぐ機能もあります。

多種多様な薬に対応 一包化されていない薬や漢方薬にも対応できるよう、専用のチャック袋やアタッチメントが用意されている製品もあります。最大1ヶ月分、または4週間分の薬を管理できるものもあります。

服薬ロボの活用シーン

服薬ロボは、自宅での利用だけでなく、介護施設などでも活用されています。

在宅介護 在宅で暮らす高齢者の飲み忘れや飲み間違いを防ぎ、家族の介護負担を軽減します。

介護施設 介護スタッフが患者さんごとの薬の取り違えや取り忘れを防ぎ、入居者の服薬管理を支援します。

入手と費用について

服薬ロボは購入できるほか、薬局によっては無償レンタルを行っている場合もあります。例えば、「服薬支援ロボⅡ」は、一部の薬局で無償レンタルが提供されており、初期費用を気にせず利用開始できます。

ただし、高齢者の場合、服薬ロボの操作方法が分からなかったり、ロボットが出す音に不快感を感じて壊してしまったりすることがあります。

昔からなじみのあるカレンダーの方が、一目で分かるため覚えやすく安心感がある場合も。