小規模多機能型居宅介護

地域密着型通所介護

小規模多機能型居宅介護とは、要介護認定を受けた方が住み慣れた自宅で生活を続けられるよう、「通い(デイサービス)」「訪問(ホームヘルプ)」「泊まり(ショートステイ)」の3つのサービスを一つの事業所が一体的に提供する介護サービスです。

このサービスは、利用者の状況に合わせてこれらのサービスを柔軟に組み合わせることができ、在宅生活を支援します。

サービスの主な特徴

一体的なサービス提供: 同じ事業所の顔なじみのスタッフが「通い」「訪問」「泊まり」のサービスを提供するため、利用者は安心感を得やすいです。

地域密着型サービス: 事業所が所在する市区町村に住民票がある方が利用できます。これは、住み慣れた地域での生活を継続することを目的としているためです。

定員制: 1日あたりの通所定員は18名以下、宿泊定員は9名以下と定められており、少人数でのきめ細やかなケアが可能です。

利用対象者: 要介護1以上の認定を受けた方が対象ですが、要支援1・2の場合は「介護予防小規模多機能型居宅介護」が利用できます。

料金: 1ヶ月単位の定額制で、利用回数に左右されません。

小規模多機能型居宅介護が向いている方。

住み慣れた自宅で生活を続けたい方。

家族の都合に合わせて柔軟に介護サービスを受けたい方。

認知症の初期症状がある方や環境の変化に敏感な方で、慣れたスタッフによるケアを希望する方。

注意点

小規模多機能型居宅介護を利用すると、他の事業所の通所・訪問・宿泊サービスや、それまで利用していたケアマネジャーの変更が必要になります。

医療ニーズが高い場合は、訪問看護を含むケアを提供する「看護小規模多機能型居宅介護」が適していることがあります。

小規模多機能型居宅介護のサービスを利用するには、以下の条件を満たす必要があります。

利用条件

要介護認定を受けていること 要支援1〜2、または要介護1〜5のいずれかの認定を受けていることが必要です。要支援認定を受けている場合は、「介護予防小規模多機能型居宅介護」として利用可能です。

住民登録地の条件 利用者が、サービスを提供する事業所と同じ市区町村に住民登録をしていることが条件です。これは、小規模多機能型居宅介護が地域密着型サービスとして、住み慣れた地域での生活を支援することを目的としているためです。

サービスについて

小規模多機能型居宅介護は、「通い(デイサービス)」を中心に、「訪問(ホームヘルプ)」や「泊まり(ショートステイ)」を組み合わせて利用できる介護サービスです。利用者の状態や希望に合わせて、柔軟にサービスを組み合わせることが可能です。

例えば・・「おじいちゃんのお風呂だけ利用したい。」「妻の1日3回の服薬確認だけしてほしい。」
などでもOKです。

訪問ヘルパーほど時間はいらないが、ポイントだけ見守ってほしいといった場合や、いずれショートなどを利用したいと思っているが、急にできるか分からないので今のうちに慣らしておきたい、など柔軟に対応できるのが小規模多機能型居宅介護です。

定員について

小規模多機能型居宅介護を提供する事業所には、利用定員が定められています。

登録定員は1つの事業所あたり29名以下。

通いサービスは1日あたり18名以下。

短期入所(泊まり)サービスは1日あたり9名以下。

定員に限りがあるため、人気の事業所では早めの予約が推奨されています。

小規模多機能型居宅介護の費用は月額定額制で、要介護度によって変動します。ただし、食費や宿泊費、おむつ代などは別途負担となる場合があります。

メリット

小規模多機能型居宅介護の主なメリットは以下の通りです。

複数のサービスを柔軟に利用できる 「通い(デイサービス)」を中心に、「訪問(ホームヘルプ)」や「泊まり(ショートステイ)」を一体的に利用できます。利用者の体調や状況に合わせて、これらのサービスを臨機応変に組み合わせることが可能です。

顔なじみのスタッフによるケア 同じ事業所のスタッフが「通い」「訪問」「泊まり」の全てのサービスを担当するため、利用者は常に顔なじみのスタッフからケアを受けられます。これにより、環境変化が苦手な方でも安心してサービスを利用でき、利用者とスタッフの関係性が深まりやすいです。

月額定額制で費用が分かりやすい 多くの場合、月額定額制のため、利用回数にかかわらず費用が一定です。これにより、介護保険の支給限度額を超える心配が少なく、家計の管理がしやすくなります。また、初期費用を抑えられるという点も挙げられます。

緊急時の対応がしやすい 家族の急な用事や体調不良など、緊急時に「泊まり」サービスなどを利用できる場合があります。

相談窓口の一元化 サービスの相談窓口が事業所のケアマネジャーに統一されるため、利用者や家族の負担が軽減されます。

デメリット

一方で、以下のようなデメリットも考慮する必要があります。

他の介護保険サービスとの併用が制限される 小規模多機能型居宅介護を利用すると、それまで利用していたデイサービス、訪問介護、ショートステイなどの介護保険サービスは原則として併用できなくなります。ただし、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具貸与などは併用可能です。

ケアマネジャーの変更 小規模多機能型居宅介護の利用を開始すると、事業所専属のケアマネジャーに担当が変更されます。これまで担当していたケアマネジャーとの関係が変わることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

利用定員に限りがある 1日の利用定員(通いは18名以下、泊まりは9名以下)が決められているため、希望通りにサービスを利用できない場合もあります。特に宿泊サービスは空きがないこともあります。

人間関係の課題 少人数制で同じスタッフや利用者と顔を合わせる機会が多いため、人間関係がうまくいかない場合にストレスを感じる可能性があります。

利用頻度によっては割高に感じることも 月額定額制であるため、利用頻度が少ない場合は、個別サービスを必要な時に利用するよりも費用が割高に感じられることがあります。また、看護小規模多機能型居宅介護は、通常の小規模多機能型居宅介護よりも利用料が割高になる傾向があります。